飼料と卵黄色の関係
・一般的な成鶏用配合飼料では、黄色トウモロコシを55%前後使用しているが、トウモロコシだけのキサントフィル量から算出すると、飼料全体では9ppm程度しか含有していない。
これだけの量であると卵黄色は、カラーファンNo.では6~7くらいである。黄色系キサントフィルだけであると飼料中18ppmていどの含有量でカラーファンNo.9くらいであり、黄色キサントフィルのみの色素だけであるとカラーファンNo.10~11くらいが限界といわれている。
しかし、黄色系キサントフィルに赤色系キサントフィルを加えると、黄色系キサントフィル量が比較的少量でも赤色系キサントフィルの影響でカラーファンNo.は高くなる。
・消費者に抵抗なく(自然の色として)受け入れられる卵黄色をカラーファンNo.9とすると、黄色トウモロコシに由来する黄色キサントフィルが9ppmくらいでも赤色キサントフィルの含まれるパプリカを0.5%くらいの添加量(約4ppm)を加えて、総キサントフィル量が12ppmくらいでもカラーファンはNo.9以上になる。
これらのことから、卵黄色を高めるためには黄色キサントフィルだけに頼るのではなく、赤色キサントフィル系の添加物と組み合わせて用いると効率的に卵黄の色調を高めることが可能である。
・市販されているパプリカ抽出物としては、キサントフィル含有量は1kg中に黄色キサントフィル2500ppm、赤色キサントフィル2500ppmの計5000ppmの量を含有しているものがあり、これらのパプリカ抽出物を0.05~0.1%ほど飼料に添加することで卵黄色を改善することができる。
ただし、鶏個体の飼料摂取量や産卵の状況による変動があり、卵黄色に若干のバラツキがでることは避けられない。
※卵黄色は、飼料(エサ)により変えることが可能です。薄い黄色のものからオレンジ色に近いものまで、色々な卵黄色のものが販売されています。
(卵黄色と栄養価は無関係です)
「ほや殻粉砕」とは、ほやの外皮を含む部分を乾燥、粉砕したものを称し、海産物であるため貝殻や海藻も含まれています。
近年、ほやの外皮を飼料に添加することにより、鶏卵の色調や、食味を向上させる養鶏用飼料が開発され、ほや殻(ホヤの外皮)の有効活用化が研究されてきました。
「ほや殻」は、外皮に含有される色素が鶏卵の色調を増強させることがわかっており、最近では、ほや殻が家禽の筋胃増大効果を有していることが公開され、筋胃増大用混合飼料なども開発されています。
『ほや殻粉砕』の給与は、家禽の筋胃が増大して飼料消化率が向上し、飼料効率を改善することができる飼料原料でもあるのです。
Comments