天然ヒトデの臭い成分を用いた「害獣忌避剤噴霧システム」を開発 ~福島県矢吹町で実証実験をスタート~
- Tsukasa Tsuji
- 2月15日
- 読了時間: 3分
パナソニック環境エンジニアリング株式会社(東京本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:小野勝、以下、パナソニック環境エンジニアリング)は、天然ヒトデの臭い成分を用いた濃縮液忌避剤「強臭力」を自動で噴霧する「害獣忌避剤噴霧システム(以下、噴霧システム)」を開発しました。2025年9月25日から、福島県矢吹町の山に隣接した農地に設置し、忌避効果の実証実験を開始しています。
シカ、イノシシ、サルなどの野生動物による農作物被害額は年間164億円(2023年度)(※)と、農業経営に深刻な影響を及ぼしています。従来は捕殺による対策が主流でしたが、人手不足や高齢化により、近年では猟友会による対応が難しくなっています。
また、特定の害獣対策だけでは対象動物が馴れてしまうため、様々な方法で複合的に継続して実施する必要があります。従来から、電気柵や威嚇資材、薬剤散布なども行っていましたが、設置や維持に手間がかかるうえ、環境への影響も懸念され、より簡単で実用性に優れた対策が必要とされています。
臭いを利用した忌避剤は、プラスチック容器などに封入して吊るすことで、臭気を拡散させ、害獣の接近を抑制する手法として活用されてきましたが、雨水や紫外線の影響により忌避効果の持続性が課題でした。今回開発した噴霧システムは、忌避剤をタンクに貯め、センサーによって害獣の接近を検知し、自動で忌避剤を噴霧します。忌避剤の追加といったメンテナンス頻度を減らし、天候など外部環境からの影響による効果の減少を防ぎます。さらに、噴霧システムがクラウドと連携することで、遠隔からの監視や操作も可能。通行者が噴霧を一時停止できるスイッチボックスを設置し、登山道や農道など人の通行がある場所での安全性にも配慮しました。忌避剤には、吉田水産株式会社が製造する、北海道根室のホタテ漁で混獲後に廃棄される天然ヒトデの強い臭気成分を抽出した濃縮液忌避剤「強臭力」を使用しています。

噴霧システムのシステム構成

2025年9月25日から、福島県矢吹町の山間部にある農地で、本噴霧システムの忌避効果の実証実験を開始しました。実証実験にあたっては、矢吹町と、福島県県南地域の産業グループ「チームやぶき」と協力。実験場所の選定と、商用電源のない山間部での試験に対して、太陽光発電を用いた電源装置の提供を受けました。また、複合的な効果を検証するため、電源が不要で設置も容易な、東洋アルミ二ウム株式会社が開発した防獣ロープ(強臭力をポリエチレン樹脂に練り込んだもの)も設置しています。
今回開発した「害獣忌避剤噴霧システム」は、環境負荷の低減と農業支援を両立するこれまでにない挑戦であり、地域連携を通じて社会実装を目指しています。
■パナソニック環境エンジニアリング株式会社について
パナソニック環境エンジニアリングは、環境技術を核とした事業を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを使命としています。空調・水処理・環境保全分野で培った技術力を生かし、社会課題に対応する新規事業の創出に取り組んでいます。
■パナソニック環境エンジニアリング ウェブサイト
記事の内容は発表時のものです。




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