● 有機農業で留意すべき肥培管理の前提
有機JAS規格には、ほ場等における肥培管理について、有機栽培の原則にのっとり、かつ以下の方法によって土壌の性質に由来する農地の生産力の維持増進が図られるよう定めてある。
・当該ほ場において生産された農産物の残さに由来するたい肥の施用
・当該ほ場若しくはその周辺に生息・生育する生物ミミズ、昆虫、微生物などによる有機物の分解や生物の物質循環による土壌の質的改善
・作物の栄養成分の不足により正常な生育ができない場合に限り、別表1の資材が使用可能
肥培管理に関する有機JAS規格の考え方は、自然循環機能の維持増進を図る観点から、基本的には上記①と②による(土づくり、物理的、化学的、生物的な土壌改良をし、地力を高め、肥沃な土壌にすること)が必要である。
しかし、例えば作物の栄養成分が①②の方法では不足して、作物の正常な生育が維持できないことが明らかで、①と②では管理できない場合には、③により有機JAS規格「別表1」の資材肥料及び土壌改良資材の使用が可能であるとしている。
このように、はじめから有機JAS規格「別表1」の使用を前提として、土づくりをないがしろにしては原則に反することとなるので、この点は肝に銘じておく必要がある。
https://www.japan-soil.net/report/h22tebiki_04.pdf 有機農業で使用可能な資材等「有機JAS制度による有機農産物生産のために」
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